世界中のスタジオで、モニタースピーカーとして今も活躍中のYAMAHAの名機「NS-10M」。かなり古いモデルですが、実際にアンプにつなげてみると、あたかもFMのサブスタジオにいるかのような定位とメリハリは、今でも「さすがはテンモニ」というところです。◎写真でご覧のとおり、この個体は年代の割にはかなりの美品といっていいと思います。少々のキズ部分もうまくタッチアップしてあり、当方のモットーである「なでなでしたくなるテンモニ」のレベルはクリアされています。◎音質は非常に良好です。全ユニットからテンモニらしい輪郭のハッキリした明るい音が出ています。モニタースピーカーらしく定位抜群なのは言うまでもありません。総じて言って現代の同価格帯スピーカーと較べると、音のリアル感が違います。ポリマー加工（下記）の後、自然乾燥後36時間以上の鳴らしこみを行いました。またネットワーク（コンデンサ）部分などはノーマルのままです。◎ウーハにスピーカー専門のポリマー加工、エッジに柔軟化処理を施してあります。ポリマー加工とは、コーン紙の表面に極めて薄い高分子密着被膜を作るもので、一義的にはコーン紙の劣化を防ぎ、本来の白さを取り戻し、湿気や紫外線などからウーハを守るためですが、コーン紙の剛性を高める作用も持つため、音を引き締めて音像をハッキリさせる効果があります。 あくまで主観ではありますが、30年前の張りのある低音が甦ったと思っています。ウーハの表面に若干のツヤがあるのはこのポリマー加工ゆえ。また高分子被膜は極めて薄い被膜であるため質量をほとんど増やすものではなく、音色の方向性そのものに変化はありません。◎念のため書き添えます。普通に美品ではありますが、同時に30年以上前のでもあります。状態はあくまで写真の通りで（拡大するなどしてお確かめください）微細なキズや打痕などはあると思います。新品同様とはいきません。そのあたりはどうかご承知おきください。ただテンモニらしいリアル美音が出ることは間違いなく、きっと70年代のメイド・イン・ジャパンのスゴ味を知ることになるでしょう。幅215x高さ382x奥行199mm。【108麻】