イラン西部のサルーク産の絨毯です。縦約123㎝、横約73㎝です。前所有者様によるとほとんどが天然染料を使われており、織られてから100年前後のものとの事です。日本国内で良く目にする、いわゆるペルシャ絨毯に似た雰囲気と思われるのではないかと思います。私が出品しております他のラグと違い、遊牧民ではなく、村や町に定住した人達によって織られたもののようです。写真4枚目の通り上縁のキリムエンドに小さな穴があります。同じく平織りの部分に横糸が切れた部分がありますので、上縁には負荷をかけないよう配慮が必要ですが、とても実用的な絨毯です。玄関の上がり框などに使いやすいサイズです。パイルがみっしりと詰まっており、パイル自体の長さもありますので、サイズの割にはずっしりと重たく感じます。左右の縁をかがる糸にはやや摺り切れた部分もありますが、概ねしっかりと残っています。上側と下側で色褪せの程度が異なりますが、おそらく使われていた環境(片側にのみ日が当たるなど)に伴う変化と思われます。多少は合成染料も使われているのかもしれませんが、この年代の合成染料に見られるような激しい色落ちはなく、自然な色褪せと思われます。この種の毛織物は太陽光の元で見ると最も魅力的と感じていますので、写真１枚目は日干しした際に撮影しました。太陽光の下では更に色柄が、冴えてパイルがツヤツヤと輝くかのようにみえます。キリムエンドに多少の損傷はありますが、保存状態はとても良いと思います。購入時は土埃のようなものでかなり汚れていましたので、ウール用洗剤で洗濯しました。現在は、個人的な感覚ではありますが、頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では鑑賞のみで実用していません。オールド キリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる中近東の毛織物にはまり、数カ月前にオランダのコレクター/ディーラー様から譲り受けたものです。気に入って入手したものですが、収納スペースが手狭になり、整理のため出品します。オールドキリムや絨毯がお好きな方、古い手工芸品に理解のある方にお譲りしたいと存じます。長い年月を経てきたなりの難がありますが、作成し使用してきた人々や歳月に思いを馳せつつ、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。家庭内に喫煙者・ペットはいません。