LUCERNE (ルツェルン)1970年代スイス製機械式ピンレバーウォッチ(なんちゃってクロノグラフ)機械式最晩年のスイス製ビンテージ石を用いない簡易なピンレバー時計です日本製クオーツの登場で、スイスの時計産業がパニックに陥っていた頃の作謂わば機械式の断末魔みたいな時計です低価格の日本製に対抗するためにスイスのメーカーがこぞってコストダウンを始めた時代矛先はメカの簡略化へ向かいます当該品もデザインや文字盤の造作等は全盛期にも匹敵する素晴らしい出来栄えですが、中身のメカが少しチープな感じですそれを反映してか自重は約40gと軽めですクロノグラフのような体ですが、上下のプッシュボタンは専らセンターセコンド(以下CS)のSTOP&GOにのみ用いますストップウォッチの針ではなく事実上の秒針に過ぎませんCSも謎の積算計2つもリセットはできませんCSは上記のように止めることができますが、積算計は長短針に連動して作動しっぱなしです元々そういう仕様のメカです外観のほうはスイス時計往年のデザインとスキルがギッシリ詰まった秀作ですミラー仕上げの文字盤が美しく、高価な時計に見えますカチカチと音も大きく押し出し感満点ですベゼルは手動で回せますほぼ未使用に近い経歴の品と思われますが、経年劣化や移動・メンテに伴う小傷は散見されます裏蓋には開閉に伴う掻き傷が随所に見られます(写真⑧)竜頭のクロムメッキが少し剥げかかっています(写真⑨)夜光塗料はオリジナルの形状を保っていますが退化して光りませんいずれも使用には差支えはありません腕のいい職人さんにOHしてもらいましたが、なにぶん精密とは言い難い簡便なメカなので1日1～3分程度の誤差は覚悟が必要かもしれません止まることはなさそうですが精度には一抹の不安があり、アクセサリー感覚で身に着けられることをお勧めします定期OHや故障の節は機械時計の修理ができる職人さんなら面倒を見てくれると思いますOH代・修理費は高級時計よりはいくぶん安価かと思います直径 約35mm(竜頭含 約38mm)縦 約43mm(ラグ含)厚さ 約13mmラグ幅 18mm本体 真鍮+クロムメッキ裏蓋 ステンレススティール牛革ベルト(わずかに使用感有り)1970年代前半スイス製